UPSの基礎編
UPSとは、UPSの必要性
1.電源障害から電気機器を保護
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UPSとは「Uninterruptible Power Supply」の略で、日本語では「無停電電源装置」と訳します。
UPSは停電などの電源障害が発生した際に、安全に機器をシャットダウンするためのバックアップ電源を供給し、コンピューターなどの機器のデータ損失やハードディスクの破損を防ぐ装置です。
2.典型的な電源障害について
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- 停電(ブラックアウト):
電力供給全体が停止することで、建物全体が電力を失います。 - 電圧の上昇(オーバーボルテージ):
電圧が通常の範囲を超えることで、機器に損傷を与える可能性があります。 - 電圧の低下(アンダーボルテージ):
電力供給全体が停止することで、建物全体が電力を失います。 - サージ:
突然の電圧上昇が、機器に損傷を与える可能性があります。
これは雷によるものや、電力ノイズによるものがあります。 - ノイズとスパイク:
電力ライン上の乱れや瞬時の電圧スパイクが、機器の正常な動作を妨げる可能性があります。 - ハーモニック:
非線形負荷(変動する電力を使用する機器)によって発生する周波数の歪みで、 電力品質を損なう可能性があります。 - 過電流:
回路に流れる電流が許容量を超えることで、機器に損傷を与える可能性があります。
- 停電(ブラックアウト):
- これらの電源障害は、機器の劣化や故障、データの損失など、電子機器やシステムに損害を与える可能性があります。
適切な電力保護装置を使用することや設計上対策講じることで、これらの障害から機器を守ることができます。
上記のトラブルにあっても被害にを抑えるためにご自身の現状に応じて電源保護対策を行いましょう!
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- データ保護:
UPSは電源障害によってデータの損失や破損が発生するリスクを低減します。 - 電力の安定供給:
UPSは停電の間、UPSに接続されている機器に電力を供給し、作業を止めることなく継続することができます。 - 機器保護:
山間部や一部の遠隔地では、電力供給の不安定さにより電圧の変動が発生することがあり電子機器にとって障害が発生するリスクがあります。不安定な電力供給に対応するために、AVR(自動電圧調整)機能を備えたUPSを使用することで、コンピューター、サーバー、ネットワーク機器などさまざまなデバイスに安定した電力を供給し、電圧の変動の影響から接続機器を保護することができます。
- データ保護:
UPSの使い方と注意点
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UPSの使い方:
基本的に電源と接続機器の間に設置するだけです。急な停電が発生した際にUPSのバッテリーから接続機器に電力が供給されます。 -
UPSの注意点:
- 1.UPSには耐用年数があります。
- 2.設置場所は直射日光が当たる場所や湿度・温度の高い場所はさけ、ほこりの多い場所には設置してはけません。
- 3.アースを確実に取り付ける必要があります。取り付けない場合に故障・漏電の際に感電、ノイズ混入の原因となります。
UPS とポータブル電源、雷ガードの違いと用途
UPS |
PPS |
雷ガード |
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用途と 使用状況 |
コンピュータやサーバー、ネットワーク機器などの電源が突然遮断されることを防ぐために使用されます。 停電時に短時間電力を供給し、システムを安全にシャットダウンする時間を確保します。 |
より長時間の電力供給が可能で、容量によっては数時間から数日間、複数のデバイスを同時に動作させることができます。 | 電源ラインを通じて電子機器に入る雷による高電圧を吸収し、機器を保護するために使用されます。雷や電圧サージからの保護が主な目的です。 |
電力供給 時間 |
短時間の電力供給が主な目的で、数分から数十分程度のバックアップ電力を提供するのが一般的です。 システムを安全にシャットダウンしたり、短い停電期間中に電力を維持するためです。 |
より長時間の電力供給が可能で、容量によっては数時間から数日間、複数のデバイスを同時に動作させることができます。 | 電力供給機能はありません。 雷やサージによる過電圧から機器を瞬間的に保護するためのデバイスです。 |
サイズと 携帯性 |
一般的にサイズが大きく、持ち運びに適していないものが多いです。 オフィス/支店/店舗家庭内の固定された場所で使用されることが多いです。 UPSは主に固定設備の一部として利用されます。 |
持ち運びが容易なように設計されており、小型で軽量なモデルが多いです。 キャンプや旅行、緊急時などでの使用に便利です。 PPSは持ち運び可能な電源供給手段として利用されます。 |
コンパクトで軽量、一般的にはコンセントや電源タップに内蔵されているため、設置場所を選びません。 |
充電方法 | 通常、壁のコンセントに常時接続されており、電力が供給されている間は内部バッテリーが自動的に充電されます。 充電はUPSの通常運転中に自動的に行われるため、ユーザーが特に操作する必要はありません。 |
様々な充電方法が提供されています。 壁のコンセントからの充電に加え、太陽光パネルや車のシガーソケットからも充電できるモデルがあります。 アウトドアや電力供給が難しい状況でも充電が可能です。 |
充電機能はありません。設置された状態で常時機能するため、充電を必要としません。 |
出力の 種類 |
主にAC出力(家庭用コンセントと同じ形状の出力)を提供します。 目的がコンピュータやサーバー機器のバックアップ電源であるため、電圧や周波数が非常に安定しており、敏感な電子機器に適しています。 |
複数の出力オプションがあり、AC出力に加えて、USBポート、DC出力、車のシガーソケットタイプの出力など、多様なデバイスに対応できるようになっています。 | 出力はありませんが、電源ラインを介して接続されたデバイスを保護します。 |
電力管理 機能 |
サージプロテクション*や電圧調整機能を備えていることが多く、これにより電圧の変動から接続機器を保護します。 また、停電時には瞬時にバッテリー電力に切り替わるため、電力供給の中断が発生しません。 UPSは特定の機器を保護することに特化しています。 |
電力管理機能もありますが、UPSほど高度ではありません。 主に長時間の電力供給を目的としており、バッテリー残量の管理や過充電防止機能が搭載されていることが多いです。 PPSは汎用的で多目的な電源供給装置と言えます。 |
雷や電圧サージから機器を保護するための専用のサージプロテクション機能を備えています。電力供給機能はありませんが、過電圧が発生した場合に瞬時に対応します。 |
*電子機器を突然の電圧上昇や電流の急激な変化から守るための技術です。
これらの急激な変化は、雷によるサージや電力ノイズなどが原因となります。
サージプロテクションは、これらの急激な電力変化を吸収し、電子機器に届く前に緩和することで、機器が損傷を受けることを防ぎます。
一般的には、コンセントや電源ラインに接続された装置や、電子機器自体に組み込まれた保護回路などが使われます。これによって、コンピューター、テレビ、家電製品などの機器が突然の電力サージから守れ、長寿命化されます。
- Q:ポータブル電源はUPSの代用として使えるのでしょうか?
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A:お使いいただけません。理由は3つあります。
- @すぐに電力を供給できない
- UPSは停電が起きた瞬間に電力を供給できますが、ポータブル電源は手動で切り替える必要があります。
そのため電気が止まると、すぐに機器に電力を送ることができません。 - A連続して長時間の電力供給が難しい
- UPSは特にコンピューターやサーバーのような機器に対して、安定した電力を長時間供給するように設計されていますが、ポータブル電源はバッテリー容量が少ないため長時間の使用には向いていません。
- B電力の安定性が低い
- UPSは電圧を一定に保つことで、機器を守るように設計されていますが、ポータブル電源は電圧が不安定なことがあり、機器に悪影響を与えることがあります。
APC UPS シリーズ紹介
Smart-UPS SMTシリーズ
販売数が2500万台を超える、サーバー、ストレージ、およびネットワーク用として世界中で最も普及しているUPSです。
- PFC電源搭載の正弦波機器に対応
- ラインインタラクティブ方式
- 不安定な電源環境にも対応する自動電圧調整機能
- ネットワーク経由の管理により、りモート監視と制御を可能に
- 出力コンセントグループによるオン/オフ制御が可能(1000VA以上)
- 業界標準ソフトウェア PowerChute 対応
- 長期保守付きモデルをラインナップ
Smart-UPS SRTシリーズ
- 正弦波出力対応
- 極めて高い電力密度、力率0.95の高効率*でより小型で大きな電力の供給が可能
- 高効率な「グリーンモード」搭載、旧モデルの消費電力より73%減*
- LCD画面搭載
- 常時インバータ給電で切替時間ゼロ
- 製品保証期間 標準無償期間:3年/有償期間含めて*7年
- バックアップ時間の拡大
- 出力コンセントグループ機能で、電源の制御をグループ毎にコントロール
RSシリーズ
中小規模ビジネス、家庭向けの大容量でかつ、自動電圧調整機能(AVR)が付いたUPSです。
業務用途として、ほとんどの場所で使用可能です。
オフィス、店舗、公共施設等に多く採用されています。
推奨接続機器はサーバー、デスクトップPC、NAS、ネットワーク機器です。
- PFC電源搭載の正弦波機器に対応
- ラインインタラクティブ方式
- 不安定な電源環境にも対応する自動電圧調整機能
- 1ギガビットネットワークサージ保護機能
- 業界標準ソフトウェアPowerChute対応
ESシリーズ
通常時には商⽤電源をサージ保護およびノイズフィルタを通して出⼒し、電源障害時にはパッテリから出⼒する⽅式です。
―般家庭のように電圧変動が⼩さく、電圧、⼊⼒波形が安定した環境での停電、雷サージ保護の使⽤に向いています。
ストレージ、スイッチ、ルーター、Wifiアクセスポイント、セキュリティーカメラ等の接続を推奨します。
- 小型で軽量
- 壁面取り付け可能
- UPB急速充電ポート付き(BE425M-JP非対応)
- 業界標準ソフトウェアPowerChute対応(BE425M-JP 非対応)
APC小型UPS各シリーズ機能別比較表
主要機能/サービス | ユーザーベネフィット | ES シリーズ |
RS シリーズ |
Smart- UPS SMT シリーズ |
Smart- UPS SRT シリーズ |
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電源サージ保護機能 | 静電帯電や落雷などの外的要因による電力サージやスパイクから接続された電子機器の故障や誤作動、データの消失を保護 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ネットワークサージ 保護機能 |
通信ケーブルに侵入する電力サージから電子機器を保護。1GbEネットワークに対応 | ー | 〇 | ー | ー |
給電方式 | ラインインタラクティブ給電方式:自動電圧調整機能(AVR)の搭載により、電圧変動時においてバッテリー運転せずに電圧調整する機能を搭載バッテリー運転を最小化し、バッテリーの劣化を防止 | ー*1 | 〇 | 〇 | ー |
常時インバーター給電方式:入力電源の変動の影響を受けず、停電発生時も無瞬断で、常に安定した電力を供給 | ー*1 | ー | ー | 〇 | |
正弦波出力 | 滑らかなサインカーブの波形となり、コンセント(商用電源)と同じ出力PFC電源を採用したサーバー/ワークステーション/NAS等の電子機器にも対応 | ー*2 | 〇 | 〇 | 〇 |
バックアップ時間の 延長 |
拡張バッテリーパックを最大10台まで接続し、バックアップ時間を延長 | ー | ー | ー | 〇 |
ネットワークベース でのUPS管理 |
リモートからUPSの監視、制御が可能 | ー | ー | 〇*3 | 〇 |
電源管理ソフトウェア (PowerChute) |
万一の電源障害時、給電時間内にシステムを正常に自動シャットダウンするためのソフトウエア | 〇*4 | 〇*4 | 〇*5 | 〇*5 |
ディスプレイ搭載 | 大型LCDディスプレイ搭載、UPSステータスが一目瞭然 | ー | 〇 | 〇*6 | 〇*6 |
製品無償保証 | 故障と判断された場合、右記の保証期間内で同等品の本体交換(交換作業はお客さまにて対応) | 3年 | 3年 | 2年 | 3年*7 |
*1. ESシリーズは常時商用給電方式。オフィス・家庭など電源電圧の変動がほとんどない電子機器の保護に適します。 *2. ESシリーズは矩形波出力UPS。ハブ、ルータなどのネットワーク関連機器、普通の家電機器なら矩形波でも問題ありません。 *3. 別売のネットワークマネジメントカードが必要です。 *4. ES/RSシリーズにPowerchuteパーソナル版が標準バンドルされています (UPS本体には同梱されていません。弊社Webサイトからダウンロードが必要です) *5. Smart-UPS向けに、UPSの状態監視、ネットワーク経由での監視と制御など様々な機能を提供しており、仮想OSの電源シャットダウンなど仮想環境に対応したソフトウェアも用意しています。(別売) *6. カタカタ表示が可能なLCDディスプレイを採用しています。 *7. 100Vモデルのみ。